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V.A 「NANO-MUGEN COMPILATION 2013」

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オフィシャルサイト(JP)
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古田琴美─2013.6. 7─
 
今年は通常の『NANO-MUGEN FES』に変わって、各地のライブハウスを駆け巡る『NANO-MUGEN CIRCUIT 2013』を開催するASIAN KUNG-FU GENERATION。

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トップバッターのアジカンは、過去最高に素晴らしいツアーだった『ランドマークツアー』にて、1曲目に披露していたBECKのカヴァー「Loser」を遂に音源化。
 
まずは、原曲である、BECK「Loser」をお聴き下さい。



そしてこちらが、アジカンによる「Loser」。



この曲をランドマークツアーで観た時は、後藤さんがハンドマイクでラップしていて、かなりの衝撃を受けましたし、発売されて、こうやって歌詞カードを見ると、再度衝撃を受ける楽曲だと思います。
 
今の時代を皮肉に比喩して表現し、韻を踏む。言葉の表現力の豊かさに、改めて感嘆してしまう曲です。伝えたいことを綴って、それが多くの人に届く。後藤さんの書く歌詞は、毎回絶望の中にも希望があり、愛があってこそのものだと思います。失う事も多いけれど、得る事の方が大きければ、それで良いと思う。
 
MVも、原曲に似せて作成されているのも、好感を持てて良いです。
 
 
アジカンの皮肉感満載の楽曲から始まり、それに繋げるかのような2番手、cero の異空間的メロディ。震災後の心情を描いた『My Lost City』という傑作アルバムから「マイ・ロスト・シティー」を収録しています。
 
彼らの楽曲は「音楽」を超えて、1つの「アート」にも感じられる。一音から、本当に素晴らしい。ceroを初めて聴いた方は、是非過去作品にも手を伸ばして頂きたいです。
 
 
3番手は、先日、後藤さんがディレクターを務める最新作(秋頃リリース予定とのこと!楽しみです。)を完成させた、the chef cooks me。彼等のライブ会場限定のep(現在は入手不可)から「適当な闇」を再録音した1曲。以前より、エネルギーに満ちている印象を受けます。
 
“闇” が “適当”になっている。これから10年越しの「光」に向けて、どんどん前進していって欲しいなと思います。
 
 
4番手は、「くだらないことばかり どうでもいいことばかり」と相変わらずな歌詞で、最高なDr.DOWNER。
「確かな物を探して 見つけて 失った」と哀愁漂うギターをぎゃんぎゃん鳴らしているけれど、最後には希望を歌っているところが、やはり良いなぁと思う。
 
彼等の人間そのものが音楽にも当たり前に出ていて、7/3にリリースされる、タイトルから最高な新作『幻想のマボロシ』も楽しみです。
 
 
ダウナーに続き、5番手は、ふと心の隙間に語りかけてくる岩崎愛。
 
少し心を休めたくなる時に聴きたくなる、彼女の最高傑作『東京LIFE』の1曲におさめられている「花束」。今作に収録されることで、彼女の、また新たな意気込みが感じられる1曲です。現在は、楽曲作成中とのことで、こちらも非常に楽しみです。
 
 
そして、ここから今作の第2章がスタートする様な幕開けの6番手は、今作初流通のNOWEARMAN。
 
これまた異様な雰囲気を最大限に醸し出していますが、彼等の楽曲は、純粋に、とてもカッコ良い。一聴して、その場の空気が変わり、奥底にある才能とやらが、少しづつ開花して聴こえてくるのも非常に良い。
彼等の音源が、後藤さんの耳に入ったキッカケはYouTube。そこからコンピ収録、サーキット参加まで至るチャンスを、彼等はモノにしている。熊本に参加される皆様、乞うご期待ですよ!
 
早めにチェックしてみて下さいね!
 
 
7番手は、Dr.DOWNER猪股氏がメインで作曲したという、PHONO TONESの、スリリングな攻めの新曲。8/7リリースの『LOOSE CRUISE』からの先行楽曲です。
 
まず曲名に驚きました。だって「石川町ファイヤー」ですよ?そりゃあ攻めるよなぁ(笑)と思いましたが、楽曲は最高なので、申し分ないです。めちゃくちゃカッコ良い。ライブが猛烈に観たくなりました。
 
 
8番手のRadical Dadsは、ナノムゲンコンピと同時発売の最新作『Rapid Reality』からの1曲。
 
更には後藤さん主宰レーベル「only in dreams」からのリリースともあって、聞いた時は、心躍りました。私は元々Clap Your Hands Say Yeahが好きなので、Radical Dadsの1st albumを大阪の南堀江にあるFLAKE RECORDSで見つけた時は、我慢出来ずに購入した記憶があります。
 
そしてonly in dreamsからの今作は、なんと1st&2ndアルバムがセットになって、¥1,890という破格のお値段!1st持っている自分も思わず購入してしまうほどのお得感満載な今作。
 
まだ聴いたことのない方は、この機会に是非!初来日公演も間近です。観たい!!
 
 
9番手は元レンタルズのSara Radle。
 
ギター、ドラム、ピアノ、ヴァイオリン全ての楽器を彼女自身で演奏するというマルチな才能を持つシンガーソングライター。歌声を聴いた瞬間、彼女の世界に引き込まれ、すぐにライブが観たくなりました。
 
ライブでは、どうやって演奏するのだろう....と、想像が膨らむばかりです。そして、楽曲が可愛らしい。聴いていると、自然と笑顔になるような、優しい印象を受けます。
 
 
そして10番手は、シャムキャッツ。cero、スカート、うみのてと共に、最新の「東京インディー・シーン」を引率するに相応しいバンドだと思います。あとは、昆虫キッズが加われば最高ですね。
 
彼等のスタジオライブ盤がライブ会場限定でリリースされているそうなのですが、いつもタイミングが合わずライブに行けていないので、早く手に入れたいところです。とにかくバンド名が好き。シャムキャッツ。
 
 
11番手は、スカート。
 
聴いた瞬間、うわぁ....良いなぁ....と思わず口から出てしまった程、素晴らしい楽曲。以前お店でインストアライブを開催した際に初めて生で観たのですが、やはり素晴らしかった。もう「良い」以外の何者でもない。切なくて、愛おしい1曲です。
 
 
12番手のSPECIAL OTHERS&13番手のストレイテナーは、もう大物キター!って感じですね。笑。説明要らずとも素晴らしいに決まっている、というか。
 
スペアザはアジカンと同じ横浜出身で、テナーは旧友。ナノムゲンフェスにも毎回出演しているという、もはやナノムゲンに欠かせない存在です。そこで今回はなんとサーキットにもゲスト出演という事で、豪華すぎる共演となっています。
 
テナーもアジカンと同じ、今年がデビュー10周年なので、そういった意味でも記念すべき参加となりました。テナーは2人の時から観ていたので、色々あったとは思いますが、今、4人でしか鳴らせない音を鳴らしている姿は、かけがえのない宝物だと思います。
 
改めて、ストレイテナー、デビュー10周年、本当におめでとうございます。
 
それにしても、スペアザの曲が10分弱もあるのに、長さを感じさせないメロディーセンスはさすがですよね。笑
 
 
14番手のTurntable Films。
 
彼らは、昔自分のイベントに出演して貰った際に遅刻してきて、最後、ギャラを支払う際に、説教した記憶が蘇りました。笑
 
そんな彼等も、今では京都を代表するバンド。京都の偉大な先輩、くるりと共に、自分達の鳴らす音を信じて、これからも真っ直ぐに進んで行って欲しいです。
 
だって、こんな良いバンド、放っておくのはもったいないでしょう?
 
歌声はもちろん、この空気感が最高です。京都発なのに、海外に想いを馳せてしまうメロディ。新作も楽しみにしています。
 
 
そして、遂にこのコンピのラストを飾る15番手、うみのて です。
 
イントロが流れた瞬間、このコンピに参加するアーティストは、単純に、アルファベット順で並んでいるはずなのに、最初から計算されて創られた感覚に陥ってしまう。集まるべくして集った仲間達の様に思う。凄い。
 
それにしても、歌詞には驚いた。そして、ライブも絶対良いに決まっている、と思ってしまった。それくらい、衝撃的な歌詞と笹口騒音の歌。こういう、魂で歌っているバンドには、心を寄せてしまいます。
 
 
更にここからリピートして最初に戻ると、「Loser」になるところも、アジカンは確信犯なの?と思ってしまう。
 
今作の全15アーティスト、15曲、過去最高に素晴らしいメンツだと思います。音楽の幅を広げる登竜門として、まず1曲、そして気になったら、もっともっと深く掘って貰いたいです。かけがえのない1つの”きっかけ”が、あなたの人生を変えるかもしれません。
 
 
 
タワレコ渋谷店では、1F&3Fにて、このように大展開中!
恒例の渋谷店名物、メッセージノートもありますよ!

<1F>
nmc1f.JPG

<3F>
nmc3f2.JPG
 
今回は、収録されているアーティストへのメッセージも書き込めますので、楽曲を聴いた感想を是非書き込みに来て下さいね!
 
収録アーティストの書き込みもあるかも!?
 
 
そして、いよいよ6/14から始まる『NANO-MUGEN CIRCUIT 2013』。
 
参加される皆様。
是非サーキットの予習にこのコンピを聴いて、今年も最高な夜にしましょう!
 
 
私も楽しみにしています!
 

古田琴美

BIO
タワーレコード渋谷店に2003.4月〜2015.7月まで勤務していました。
Twitter:http://twitter.com/kotomifuruta