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French Films 「Imaginary Future」

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青野圭祐─2011.9. 5─

前回は豪州からThe Vinesをご紹介させていただきましたが、今回はフィンランドはヘルシンキのサーフィン・ポップ・バンド、French Filmsを紹介いたします。

フィンランドと言えば、ムーミンの生まれた場所だったり、サンタクロースのホームタウン(??)だったりと他の北欧諸国に負けず劣らずドリーミーな情緒掻き立てる国で、ヘルシンキも映画『かもめ食堂』の舞台にもなっていて、素朴な雰囲気を受けることも多いですよね。

そんな首都から現れたFrench Filmsは、その北欧っぽい憂愁をもって、去年、世界中のインディ・ポップ・ファンを熱狂させた米国のThe Drumsのようなサウンドを鳴らしているのが特徴的です。


早速、『Imaginary Future』のリード・トラックでもある「Golden Sea」のMVをご覧下さい。



2分強のシンプルな曲の中にDrumsっぽいリズミカルなビートとThe SmithsのMorisseyを思わせるようなちょっと気持ち悪い感じ(褒め言葉ですよ!:笑)のヴォーカルとカラフルなシンセサイザーの音色。インディ・ポップ・ソングとして申し分ないクオリティです。

DrumsがNYの陽光降り注ぐ海を歌っているとすれば、French FilmsはそんなNYや同じく去年インディ・ポップ・ファンを駆り立たせたWavvesやBest Coastが歌ったようなカリフォルニアの海を夢見ながら北欧の地元の海で立ち尽くしている…そんな感じの憂愁が伝わってきます。以前紹介させていただいたSeaponyのそれのような画質の荒いMVをご覧いただいただけでも、どこかノスタルジックな雰囲気を感じ取っていただけるかと思います。「片田舎の海」を感じさせるのも印象的で、そういった面では米国はNYではなくその近郊のニュージャージーからのReal Estateにも似た一面を感じられるかもしれません。

こちらはオフィシャルの映像としてYouTube上にアップされているものの画像は動かないので、実質、曲だけですが、「Convict」をどうぞ。



ボーイッシュな「ウ〜♪ウ〜♪」なんてコーラスと相変わらずシンプルなギターとタイトなドラミングが印象的です。もちろん気持ち悪いヴォーカルも!(笑)

Drumsも80'sのUKのエッセンスを取り入れていましたが、彼らもそうでSmithsだけでなく、Cureっぽい翳りのある曲も多く収録されています。

『Imaginary Future』、国内盤は9月21日発売。

フィンランドから大きなバンドが出てくることはこれまで他の北欧諸国に比べると少なかったのですが、彼らFrench Filmsは世界にはばたくインディ・ポップ・グループになれそうでしょうか。ぜひ、見届けたいです。



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青野圭祐

Web
https://twitter.com/ath_sj3

BIO
雑誌やウェブなど各メディアで音楽の書き物をしたり、Bathroom Sketchesというインディ・ロックバンドでギター/ヴォーカル/シンセサイザーをしたり、Moles Regimeというデジタルユニットで活動したりしている、京都の郊外出身の25歳です。
US北西部(ワシントン州シアトル)と愛媛県が好きです。
アイコンはイラストレーターの岩沢由子さんに描いていただいております。