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Kings of Leon 「Come Around Sundown」

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Kings of Leon -LINK-

オフィシャルサイト(海外)マイスペース
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nerisuke─2010.10.23─

このバンドの前作「Only By The Night  」はホントに良く聴いた。「特に聴きたいものないな~」って時にとりあえずかけてしまうアルバムだった。トップバンドへ登りつめる瞬間を捉えたアルバムで、きっちりヒットシングルも2曲入って、40分強。天の邪鬼っぷりを発揮して個人的年間ベストには入れなかったりしたけど、今聴いても名盤だ。  

そして今作は今まで培ったポテンシャルをフルチンで見せつけた真っ向勝負のロックアルバム。骨格の違いでもう勝負にならない、という印象すら感じる横綱っぷり。

現在はspinnerで全曲視聴出来ます(http://www.spinner.com/new-releases#/1 )。

オススメは「Radioactive 」、「Mary 」あたりかな。欲を言えばあと2曲くらい削ってもらえればもっと聴きやすくなったはずだけど、そんなもんは些細な問題だ。

というわけでこのKings of Leon、欧米では子供からお年寄りまで知らない人はいないくらいのバンドなわけですよ。ストロークスから始まったガレージムーブメントの末っ子としてアメリカの南部からでてきたこのバンド。初めはもっさりした田舎モンだったわけで。そのバンドがアルバムを経るごとに垢ぬけて、音楽性的にも暑苦しいロックンロールからU2的なスタジアムロックへと変遷していく。その様を欧米の人達は見守っていて、「おれたちのKings of Leon 」という感じなのでしょう。

その感情移入のさせ方は、今や世界一の総合格闘技団体UFCがUFC版ガチンコファイトクラブであるテレビ番組「TUF」で見せた事とダブり、さらには日本でいうAKB48の成長物語ともかぶる。

そんな愛すべき世界トップ中のトップバンドの新譜がチャートに入らない日本。これは同じ音楽として本来分けるべきじゃない洋楽と邦楽との埋めがたい溝を作ってしまった問題と原因は一緒だ。。

一つ目は、ラモーンズから始まったパンクのシンプルなリズムを何の考えもなしに”ロックのリズム”として浸透させてしまったメロコアというジャンルの影響力。

二つ目は、日本人特有の奥ゆかしさが拒否反応を起こしたために起きたブラックミュージックの進化の遅れ。

ざっくり言うとこの二つだと思うんだけど、この二つが引き起こしたのがリズムへの鈍感さなんだと思う。それはセックスを感じさせる音楽への否定へとつながる。”胸毛の否定”と言ってもいいかも。それこそがこのKings of Leonの魅力の伝わらなさに直結してるんだと思う。だってセクシーさの塊のようなバンドなんだもの。

日本人は世界で誰も相手にしなかったクィーンやボン・ジョヴィを唯一応援し、プリンスを熱狂的に支持した歴史があるのにどうしてこんな事になってしまったのやら。

海猿とかROOKIES とかで明日にときめくのもいいけど、今はとにかくKings of Leon メンバーの胸毛を見てときめけ!

nerisuke

Web
http://blog.livedoor.jp/vmjstyle/

BIO
音楽、プロレス、漫画の三本柱でローテまわしてます。 モヒカンにする事で生え際の後退をごまかしつつ、結局帽子をかぶりがち。@nerisukeでtwitterもやってます。 最近、7年ぶりに地元盛岡へUターン。気合、入ってます。

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後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)─2010.12.15─
前作が世界で750万枚以上を売り上げたモンスターバンドの新作。

大ヒット作の次にリリースされるアルバムというと、大転換作というか、バンド自体が自分たちの置かれている状況とストラグル(取っ組み合う)してしまって、リスナーを置き去りにしてしまうことが多いような印象があります。ところが、そんな心配はどこ吹く風と、完全に王道をブッチ切ってスタンダードに着地してみせたのがこのKings Of Leon。これはもう文句なしですね。素晴らしいというか、凄いとしか言いようがない。自信に満ち溢れた、充実作。
音楽性とかそういうことではなくて、世界中の人たちを今、まさに熱狂させているひとたちのエネルギー。そういう説明のつかないところに、このバンドの本当の凄みがあります。それを音源からも感じます。1000万人以上の感性のチャンネルをジャックしている、そのあり得なさと言うか。大きさ。

こうなると来日公演を期待したいものなのですが、何しろイギリスはハイドパークでのライブでは6万5000人分のチケットが即完売。グラミー賞も受賞していますし、各国のフェスではもちろんヘッドライナーということもあって、ギャラのほうが大変お高くなっていることは想像に易いわけです。世界のトップバンドのひとつなのですから。

日本ではそうなると、埼玉スーパーアリーナくらいの会場を用意したいですね。そうでもしない限り、来日は難しいのではないかと思います、私の予想では。日本に来なくても良いくらいの人気ですから世界では。ですから、彼らを呼ぶには、世界で彼らが手にしているのと同じくらいか、それに近い熱狂を持って迎えないといけないわけです。「日本に行ってもビジネスになりません」と弁護士兼マネージャーが言おうと、「日本には熱狂的なファンがいるから」と、そうメンバーに言わせないといけません。

日本では、ウィルコなどもそうなのですが、トラディショナルなアメリカ音楽の雰囲気が少し混ざると、本国と日本でのセールスにかなり差が出てしまうという現象があるように思います。簡単に言うと、カントリーの匂いがすると日本では売れないような。そういう壁を乗り越えて、是非とも日本でもブレイクして欲しいと、心底思います。

私は正直言って、Kings Of Leonを日本で観たいです。(切実)
現在、世界のトップを走るロックバンドのエネルギーを生で浴びてみたいです。

ということをアピールして、今回のレコメンド記事を終わりにしたいと思います。

Kings Of Leon - Radioactive

Kings of Leon | Myspace Music Videos


後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

Web
http://asiankung-fu.com

BIO
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバー。
THE FUTURE TIMES編集長。
最近、アイスコーヒーをガブ飲みすると屁が臭くなることを発見しました。