生で観た時は遠目だったけれど、映像で観直してみるとメンバーが向かい合って時折笑顔を見せて演奏したり、とてもリラックスした様子で、前半のステージとはまた違ったアットホームな雰囲気もまた良かった。演奏された楽曲も、[Champagne]から[Alexandros]に改名後1発目にリリースされたシングル「Adventure」(5th Album「ALXD」にも収録)や、現在では彼等が大事な節目のライブの際にしか演奏しない「Untitled」(1st Album「Where's My Potato?」収録)まで、昔からのファンにとっても感動の演出だった様に思う。
幕張メッセライブ映像には、幕張メッセライブ本編に加え、ドキュメンタリー、昨年夏に日本武道館で開催された「Premium V.I.P. Party 2015」(初回限定版のみに収録)、幕張メッセライブオーディオコメンタリー(副音声)が収録されている。それらの映像全てを観ることによって、このツアーが本当の意味で完結する。なぜなら、今回の国内、そして香港、台湾で行われた海外ツアーでの模様をモノクロでドキュメンタリーにしている映像は、まるで映画の様で、バックステージの映像の中でも、普段見せることのないライブ後のメンバーの苛立ちなど、カットしても良いだろう映像を、包み隠さず収めているのだ。
そして、幕張メッセ映像の初回限定版のみに収録されている、昨年夏に日本武道館で開催された「Premium V.I.P. Party 2015」では、もはや武道館が小さなライブハウスに見えてしまうくらい圧巻のライブを魅せている。2度目の武道館ということもあり、彼等の貫禄あるステージは流石の一言しかなかった。
今作の「I want u to love me」は既にライブでも披露されていて、音源とはまた違った憎らしいアレンジが加えられ、広い会場でオーディエンスの合唱と共に聴くのがまた最高に気持ち良い。
[Alexandros]の面白いところは「Girl A」「NEW WALL」「I want u to love me」という全く異なるサウンドを、全て同じ人達が創っているということ。「I want u to love me」に関しては、彼等の内面にあるヤンチャな部分が全面に押し出され、まるでおもちゃ箱の引き出しからそのまま飛び出て来たかのような、ユーモアたっぷりのキャッチーな楽曲。ラストにはプロの聖歌隊の子供達の合唱まで入り、歌詞は彼等の決意と遊び心を組み合わせた内容で、一筋縄じゃいかないところも彼ららしい、思わず”やられた!”と思わずにはいられない。