例年以上に悲しいニュースばかり聞こえてくる2023年。音楽は社会の写し鏡であり、一服の清涼剤であり、心の拠り所でもあると改めて感じました。アジカン後藤さんと一緒にグラストンバリーに参加したのは、音楽観どころか人生観すら変わってしまいそうな体験で、会場にある丘の上から見た景色は一生忘れないと思います。それから私事で恐縮ですが、結婚は大きすぎる出来事でした。お世話になった皆様に感謝。

上掲のベスト10に関しては、流行り廃りの移ろいや消費スピードがどんどん加速していくなかで、自宅でレコードをかけたりしながら腰を据えて向き合った（＝仕事と関係なく愛聴した）作品を気づいたら選んでいました。クリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズの3枚組・全96分の大作は、昨今なかなかお目にかかれない崇高な美意識と重厚感をもつ傑作で、ロンドンで観たアルバム再現ライヴも含めて2023年のベスト。あとはポッドキャスト「APPLE VINEGAR -Music+TALK-」の年間ベスト回（12月27日配信）で詳しく紹介しているのでそちらをぜひ。この番組もイイ感じに育ってきています。

邦楽では同い年の星であるSummer EyeとThe Novembersの活躍、原口沙輔の覚醒っぷりが特に印象的でした。「Gacha Pop」は邦楽だけでなく洋楽という括りの再定義を促すトピックとも言えそうな気がしていて、個人的にもかなり注目しています。

せっかくなのでベストライブ10本も。インタビューさせてもらったのも思い出深いEXTCとペイヴメント、ソニックマニアでのジェイムス・ブレイク、サマソニでのブラーも感慨深いものがありました。

The Doobie Brothers @ 日本武道館 (4/17)
Christine and the Queens @ Southbank Centre (6/17)
Young Fathers ＠ Glastonbury Festival (6/23)
Lana Del Rey ＠ Glastonbury Festival (6/24)
Elton John @ Glastonbury Festival (6/25)
Yeah Yeah Yeahs ＠ FUJI ROCK FESTIVAL'23 (7/28)
Nia Archives @ SPACE ODD (9/22)
White Shoes & The Couples Company @ 渋谷WWW (9/28)
betcover!!「七人」 @ 渋谷WWWX (10/25)
Ezra Collective @ LIQUIDROOM (11/28)