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INTERVIEW

2023年 ベストアルバム

2023年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。

(2023.12.28)

The Best Albums of 2023

加倉 伸也
(アイウェア・デザイナー)
「Lendas」 - Fabiano do Nascimento

ここ最近またブラジル音楽にはまっていて、新旧にかかわらずいろいろ聞いている中で今年一番良かったブラジル人ギタリスト、ファビアーノ・ド・ナシメントの新作。
あのArthur Verocaiも参加し、ブラジル音楽にジャズとクラッシックのエッセンスを織り交ぜたようなオーケストラアレンジが兎に角心地良い作品です。

「Running From the Chase」 - Truth Club

米のインディーバンドTruth Clubはペイヴメントとスリントが引き合いに出されていて気になったバンド。新作はたしかにその中間のような音で、他に90年代のいろいろなバンドが見え隠れもするが、どれとははっきり思いだせない、基本的には好きな種類の音。

「Dead Meat」 - The Tubs

あまり話題になってないイギリスのバンドThe Tubsは、最近のバンドにしては珍しく80sのUKインディーバンドの雰囲気を持った音が自分好みだった。CreationとかC86とかにいそうな感じ。ちょっぴり今っぽいポストパンクの要素もあるので今後が楽しみのバンド。

「Echo Palace」 - Iguana Death Cult

今年も昨年に引き続きポストパンクの名のもとにたくさんのバンドが新作を出していましたがダントツに良かったのはIguana Death Cult。なんとオランダのバンド。ジャケットがダサくてそそられませんが、SAXを入れるところなんかNO WAVEの雰囲気もあって最高にカッコ良い。音の質感も当時の感じでレコードで聞くと更によかった。

「Abandon All Hope」 - Ethan P.Flynn

Black Country, New Road、FKA twigs、David Byrneとのコラボやプロデュースで有名らしいイギリスのアーティスト。1曲目出だしが70sのアメリカのSSWぽくて驚いたが全体的にはトラッドなフォークスタイルをプログレッシブに現代流にアップデートしていてとても良かった。アレンジがユニークで曲もPOP。プロデューサーとして人気なのもうなづける良作です。

「Lotus Glow」 - Adi Oasis

R&B、ニューソウルの流れの新譜も今年は多かったような気が。そのなかで特に気に入った2人の内のひとり、Adi Oasis。本人はベーシストでもあるためかバックの音はタイトで70Sソウルを現代にうまくアップデートした感じが良かった。

「Come Around and Love Me」 - Jalen Ngonda

それに比べてDaptoneから出たJalen Ngondaはまさに70Sソウルそのもの。このレーベルの雰囲気そのままだけど曲・アレンジが良くて何度も繰り返しきいてしまう。ハイトーンボイスも雰囲気たっぷりで最高です。

「Time will Wait For No One」 - Local Natives

ベテランLocal Nativesの今回も最高だった。1曲目からコーラス全開でもうロックバンドの域を出ているような美しさ。曲もアレンジも完璧でした。ずーっと聞き続けられる作品。

「Hit Parade」 - Róisín Murphy

良く知らないままアルバムの2曲目を視聴して即購入したRóisín Murphy。ダンスミュージックのアーティストらしいのですが、このアルバムはレアグルーブとインディーロックの要素をMIXしてダンスニュージックにした感じでとにかく心地よかった。また変なジャケットのインパクトもあって聞くたびに魅かれていった、今年一番変で良かったアルバム。

「This Stupid World」 - Yo La Tengo

最後は安心のYo La Tengo。タイトルからして彼らの怒りを感じるが内容はいままでと何も変わらず安定のクオリティ。ほとんどの曲を3人同時に演奏しているらしく今まで以上にライブ感あるサウンドが良い。ニューアルバムに合わせた来日ライブも最高でした。

今年のベスト10は、買ったものを振り返って見てみると、新譜はロック以外を多く聴いていたようでそれを反映した内容となりました。逆にロックはリイシューをいっぱい買ってたような気がします。どちらにしてもレコードは買い続けているので、部屋のスペースがどんどん無くなっていくのに日々不安を感じている今日この頃です。

加倉 伸也
(アイウェア・デザイナー)
アイウェア・デザイナー 加倉 伸也
BIO

アイウェア・デザイナー
アメリカの某アイウェアブランドのデザインに15年携わった後、現在は新たなブランドのデザイナーとして活動。
またファッションブランドやミュージシャンのオリジナルサングラスなど、国内外問わず多数を手掛ける。

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