最近、部屋の掃除がきっかけでレコードプレーヤーをひっぱり出して、昔買ったレコードを聴いていますが、とても有意義で楽しい時間だなあと改めて感じました。当然のことながら、音を出すまでに操作が指一本とはいきません。ジャケットからレコードを取り出して、プレーヤーに乗せて、と何とも煩わしい作業です。再生したらしたでノイズが乗る。そして、片面が終わればレコードを裏返す。この一連の煩わしい作業が、じっくりと音楽に向き合うための心の準備になっているのかもしれません。
　僕は、ここ数年ほぼサブスクのみで音楽を聴いていますが、場所や時間に縛られることなく様々な音楽が聴けるようになったことは、とても快適で便利です。しかし、ひとつの音楽を集中して聴くことや、味わって過ごす時間が減り、結果として音楽に向かう意識が散漫になったようにも感じています。レコードで音楽を聴く時間を過ごすことで、音楽を聴く時の“心構え”の様なもの思い出しました。レコード、CD、ストリーミング/ダウンロードと、それぞれの良さがあるのと思うので、どれかひとつに絞るのではなく、聴きたい音楽や気分によって使い分けるのも良いのではないかと思います。 「またレコードやCDも買って音楽を楽しもう」と思った2021年でした。