｢no song without you｣ - HONNE

エレクトロポップデュオ、HONNEのニューアルバム。「らしさ」から外れることなく、しかし同じことは繰り返さず、そして聴き手の想定よりも少し先にいるという、アーティストの良い歩みを見せてもらった気がします。しかも、それを肩ひじ張らずに提示する感じがまた良くて。大人っぽくて可愛らしくてポップ。

｢Elevator Music for an Elevated Mood｣ - Cory Wong

VulfpeckやThe Fearless Flyersなどで活躍しているギタリスト、Cory Wongのソロアルバム。全体的にファンキーかつキャッチーなのですが、その中でも1曲目の「Golden」は踊りだしたくなるほどポップで思わずニコニコしてしまいます。Cory Wongは他にもJon Batisteと制作したインスト作品「Meditations」も良かったです。

｢To Let A Good Thing Die｣ - Bruno Major

2019年から立て続けにシングルをリリースしていたBruno Major、やっとアルバムを出してくれました。フォーキーであったりジャジーであったりする中に"今"をひとつまみ加えた楽曲群。シンプルが故にメロディと歌の良さが際立ちますね。急に予定がなくなった週末なんかに家で聴きたい音楽です。

｢Notes On A Conditional Form｣ - The 1975

バンドにせよなんにせよ、様々な方向性の楽曲が収録されているカラフルな作品が好きなのですが、そういったものをここまでちゃんと作ってくれたら、もう有難さしかないですね（笑）。しかも、22曲入り！収録楽曲のジャンルの幅広さやそのバランスが今までのアルバムの中で一番好きです。

｢Fake It Flowers｣ - beabadoobee

前出The 1975とも関係が深いbeabadoobee。まず、フィリピン生まれロンドン在住の20歳の若者がとても90年代っぽいサウンドを奏でていることが良いなあと。「世界はどんどん狭くなり、時代は巡っていくのだなあ」と。楽曲もサウンドも歌声も好きなので、いつかライブで観てみたいです。

｢After Fillmore County｣ - Vansire

アメリカ、ミネソタ州出身のドリームポップバンド、Vansireによる3枚目のアルバム。…なのですが、これ以上の情報がなかなか見つからず、自分の検索能力の限界を感じながらこの文章を書いております。ギターポップにチルウェイブを足したような心地よさが気持ち良い一枚です。

｢The Invisible Man｣ - Benjamin Wallfisch

この企画で映画音楽を選ぶのってどうなのかなと思いつつ（笑）。映画『透明人間』は、予算があまり潤沢でなかったこともあり"音"に演出を担わせた部分が比較的多かったのですが、サスペンス的な楽曲にノイズミュージックのような手法を取り入れた劇伴が、演出効果とモダンさを上手く両立させていて良かったなと。勉強になりました。

｢utopia｣ - miida

バンド「ねごと」のギタリスト・コンポーザーであった沙田瑞紀さんのユニット、miidaによるファーストミニアルバム。打ち込み主体のトラックにメロディアスなボーカルが乗るサウンドが良いですね。こういう都会の夜の空気を封じ込めたような雰囲気はとても好みです。

｢SOUL LADY｣ - YUKIKA

YUKIKAこと寺本來可さんのファーストアルバム。全曲韓国語詞で、作曲も韓国のコンポーザーが手掛けているのですが、サウンドは王道シティポップ。日本人が韓国で、かつて日本で隆盛を極めたシティポップを韓国語で歌うという「世界はどんどん狭くなり、時代は巡っていくのだなあ」案件再び。もちろん内容も素晴らしかったです。

｢kaléidoscope｣ - 高井息吹

ピアノを弾く女性シンガーソングライターがオルタナティブな音楽性だったりすると大抵好きになってしまうのですが、今回もその例に漏れず好きになりました。バンドサウンドが気持ちいい「ハローグッバイ」を筆頭にとても良い空気を纏った作品です。