INTERVIEW
2018年ベストアルバム
2018年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。
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後藤 正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
![All Ashore](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51FoZBi3L0L._SL114_.jpg)
Punch Brothers
![ai qing](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/5195fO3YlWL._SL114_.jpg)
KID FRESINO
![Boygenius [日本独自企画盤CD (解説・歌詞対訳付)] (OLE14382)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41ooXj9pHML._SL114_.jpg)
Boygenius
![平成](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41g5Nf-ym6L._SL114_.jpg)
折坂悠太
![Black Panther: The Album](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/31b5keUbgmL._SL114_.jpg)
Kendrick Lamar
『Good Thing』- Leon Bridges
オーセンティックなR&BやJAZZ、ソウルやブルーズを現代的なサウンドで構築した音像が気持ちいいアルバム。脈脈と受け継がれてきた音楽文化に接続しようとする意思と、フレッシュな感覚が上手に混ざっているところが好きでした。ここ数年、いちばん好きなシンガーです。
『FORTH WANDERERS』- FORTH WANDERERS
SUB POPからの一枚。チャートがどうの、流行りがどうのではなくて、インディーロックはこうあって欲しいなという伝統的かつ理想的なサウンド。どこか気だるくて、メランコリックな質感が癖になります。こういうヘロヘロな音楽でも、ローエンドを出そうとしているのが最近のアメリカ音楽の特徴ですね。日本のバンドの音作りの参考になるかも。
『2nd Childhood』- Kojoe
鼓膜がくすぐったいような、あるいはズシンと内臓に響くような重低音。とてもユニークなミックスが印象的でした。リズムもピッチもフロウも完璧なKojoeのミュージシャンとしてのスキルにも驚きました。もっと多くのひとに届くべき、素晴らしいアルバムだと思います。
『HEX』- ROTH BART BARON
自分たちの箱庭的な部分から、外側にエネルギーを向けてバンドが変化する瞬間が好きです。ROTHにとっては今作がそういう作品なのではないかと想像しました。シカゴでミックスされた「HEX」と「SPEAK SILENCE」が特に素晴らしい(サウンドの奥行き、ボーカルの処理の仕方が最高)。本当に美しいアルバム。
『Kanye West』- ye
目も当てられないような言動が目立つカニエですけれど、彼が絡む音楽はどれもサウンドのクオリティが高い。自身のアルバムも例外なく面白い音作りでした。HIP HOPだとかロックだとか、ジャンルの壁を超えて、ポップ・ミュージックの最先端を担っている人だと思います。
『All Ashore』- Punch Brothers
とにかく録音が素晴らしいアルバム。現代的な「ドスッ!」とか「ヴー」といった重低音とそのアタック感はないのですけれど、しっかりとふくよかなローエンドが感じられる音像が最高です。ビート中心の音楽ではなくても、こんなにレンジが広いんだっていうのは勉強になります。
『ai qing』- KID FRESINO
平熱なのにスマートでスタイリッシュ。飛び抜けた存在感だと思います。生バンドだと細くなりがちなトラックも、ちゃんと太くて素晴らしいミックスに仕上がっています。客演陣も最高。こういうアルバムが様々なメディアで賞賛されて、チャートのいちばん上に来るような時代の到来を僕は望みます。
『Boygenius』- Boygenius
HIP HOPが興隆を極めている裏側で、優れた女性SSWが活躍の場を広げていると感じます。その象徴的な一枚かなと。Julien Baker、Phoebe Bridgers、Lucy Dacusが揃って悪いわけがない。男の子たちがマイクを握り、女の子たちがギターを買う時代なのかもしれないですね。
『平成』- 折坂悠太
土着のフォークと誤解されそうですが、彼の作品はフランク・オーシャンと(あるいは米津玄師と)並べて聴くのがいいのではないかと思います。最新のフィーリングで作られた音楽が、ディープな日本から出てきたというだけの話です。しっかりとユニバーサルなサウンドを志向している。でも、強烈に日本の音楽でもある。そういうところが新しいし、格好いいと思いました。
『Black Panther: The Album』- Kendrick Lamar
USのHIP HOPの盛り上がりを、文脈的にも言語的にも、フィルターなしのリアルタイムで感じるのは難しいですよね。サウンドの良さはわかるんだけど、歌った側からリリックの意味がわかるわけではない。そういうもどかしさを超えて、さすがにここまでのクオリティで仕上げられると何もかもを突き抜けて届きます。映画も含めて、アメリカ的なエンターテインメントの底力。
後藤 正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
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WEB
gotch.info
BIO
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。これまでにキューンミュージック(ソニー)から9枚目となる新作『ホームタウン』を2018年12月発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足させ、webサイトも同時に開設。また、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』を編集長として発行するなど、 音楽はもちろんブログやTwitterでの社会とコミットした言動でも注目されている。
ソロアルバムに『Can’t Be Forever Young』やプロデューサーに元Death Cab for CutieのChris Wallaを迎えバンド録音を行った2ndソロアルバム『Good New Times』を発表。また著書に『凍った脳みそ』『銀河鉄道の星』『何度でもオールライトと歌え』(ミシマ社)、『YOROZU~妄想の民俗史~』(ロッキング・オン)他。
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