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(2014.12.26)

2014年ベストアルバム

2014年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。

MATT SHARP(THE RENTALS) が選ぶ2014年 ベストアルバム

01. Lucius – Wildewoman
Jess Wolfe & Holly LaessigはThe Rentals のニューアルバム“Lost In Alphaville"のヴォーカルを担当した2人。彼女達のバンド “Lucius” は昨年デビューアルバム“Wildewoman”をリリース。The Rentalsのアルバムに参加してくれた彼女達のアルバムだから勧めているのではなく 純粋に僕が久々に惚れ込んだアルバムだから。もし彼女達のライブを見る機会があったらぜひ行ってほしい!デビューアルバムをレコード盤で聴くより唯一良いのはライブだよ。彼女達の声によって表現される慶びと史上稀に見る才能は圧巻だね。

02. Manchester Orchestra - Cope / Hope
僕の良き友達のバンド“Manchester Orchestra”から今年は2枚のアルバムがリリースされた。一枚目は“Cope”。“Manchester Orchestra”に関して言える事はひとつ、彼らは常に王道をゆく。ジョージア州アトランタ出身のヴォーカル“Andy Hull”と彼のバンドメンバーは豪華なメロディによって公正に厚みのあるアルバムを見事に作り上げた。先月リリースされたアルバム“Hope”は、“Cope”からの同じ曲をオーケストラバージョンでその世界観を再現、まさにマスタピースとしか言えない。

03. Various Artists - The Complete Motown Singles Vol. 7 (1967)
僕のヴォーカルトレーナーからSmokey Robinsonの “The Love I Saw In You Was Just A Mirage”の歌い方の指導を受けた。今までに一度も聴いた事がないこの歌とアレンジの素晴らしさに僕は感動してしまった。Motownは今までのシングルをコンピレーションとして年々次々とリリースし、“The Love I Saw In You Was Just A Mirage”は1967年のコレクションに含まれていて、僕が今一番聴いてアルバムです。このアルバムはMotownの名曲を次々と発見できるのでまだMotownを聴いた事がない人はぜひここから入門してほしい。

04. Merle Haggard & The Strangers - Swinging Doors
ぼくがまだ幼い頃、父はカントリーミュージックにハマった時期があった。愛車のポンティアックトランザムを乗り回した際にカントリーアーティスト、例えばWillie NelsonとWaylon Jenningsを聴いた。そして僕はいま幼年期の頃の音楽を再発見している真っ只なんだ。 このMerle Haggardのアルバムおよび以下2つTammy WynetteとWillie Nelsonの3枚は僕のお気に入りだよ。

05. Tammy Wynette - Your Good Girl's Gonna Go Bad
Tammy Wynetteをカントリーミュージックのファーストレディと人は呼んていた。デビューアルバムの“Your Good Girl’s Gonna Go Bad”を聴けばその理由が分かるはず。Tammyは最も影響力のあるカントリーシンガーの一人です。彼女のヴォーカルスタイルを真似しようと試みる人はいるが未だかつて成功した人はいない。

06. Willie Nelson - The Sound In Your Mind
1970年代のカントリーミュージックのビッグアーティスト達はナッシュビル生まれの音楽に何かしらの個性を吹き込んだ。Willie Nelsonはもっと複雑なジャズのコード進行に華やかさをもたらし。さらに彼はコンセプトアルバムを作るという野心的な要望を採り入れた事で、愛と関係のテーマをより大きく切り開いた。

07. Gap Dream
風変わりのGabe Fulvimartと知り合ったのはごく最近のことで、Patrick Carneyが僕をGabeに紹介してくれた。彼はThe Black Keysがツーピースバンドになる前のオリジナルメンバーでキーボードを担当していた。Gabeは”Gap Dream”として音楽の制作をしている。日本では手に入らないと思うけど、僕が一番好きなアルバムは“Pleiade”。このアルバムのサウンドは、まるでムーグシンセを抱えながら天の川を漂流しているような気分になるんだよ。

08. Gotch – Can’t Be Forever Young
“Can’t Be Forever Young”のレコード盤を聴きながら、これを書く僕は、友人のゴッチと共に過ごしたこの8年のクレージーな冒険を回想する。たとえ、日本語の歌詞が分からなくても、大切な旧友の声は心地良く響く。オープニングトラックである“Wonderland”のホーンの自然な音色は暖かく、彼の成長とアーティストとしての偉大さを実感する。

09. Elvis – ’68 Comeback Special
僕は今Elvis Presleyに超ハマっていて彼の映画を全て観た。くだらない中でも一番好きなのが'68 Comeback Specialだ。たぐいまれなカリスマ性を持つElvisが古いバンド仲間と円形に座ってセッションをする姿は史上初の”unplugged” 「プラグが抜かれた」セッションに違いない。僕はこのシーンがこよなく好きで、きっと音楽界史上初のフィルムに残された名場面だど思う。

10. Tegan & Sara - SO JEALOUS X
Tegan&Saraのアルバム”So Jealous”は今年で記念すべき10周年を迎える。このアルバムでは僕がシンセサイザーを演奏するという小さなパートを受け持ち、アルバムの一部になれた事にいつも感謝しているんだ。
軸がぶれずにアーティストとして自身を越え、Tegan&Saraのレガシーは多大な影響力のある作詞作曲とそのヴォーカルスタイルだ。 どこかで聴くバッググラウンドミュージックが「あれ?T&Sかな?」と思う事がしばしば。でもT&Sではなく彼女達の真似をする別のヴォーカリストだったりする。そんな経験は日常茶飯事。T&Sが他のアーティストへいかに大きなインパクトを与えているか計り知れない賛辞だ。

MATT SHARP(THE RENTALS)

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WEB
http://therentalsmusic.tumblr.com/
//www.onlyindreams.com/artist/therentals.html

BIO
ウィーザー初代ベーシストにして元祖泣き顔男、マット・シャープ。ウィーザー在籍中にレンタルズを結成、『レンタルズの逆襲』(95)、『セヴン・モア・ミニッツ』(99)という2枚のオリジナル・アルバムをリリース。その後しばらくソロ活動に専念するが、05年よりレンタルズとしての活動を再開し、06年NANO-MUGEN FESにて来日。09年には音楽・映像・写真の3分野で作品を発表する一大プロジェクト「Songs About Time」に取り組むなどユニークな活動を続ける。

そして、2014年7月、オリジナル・アルバムとして15年ぶりとなる3rdアルバム『Lost in Alphaville』をリリース。ディストーション・ギター/ムーグ/ストリングス/男女掛け合いヴォーカル、そして、抜群にキャッチーな歌メロ、とレンタルズならではの要素がたっぷり詰まったアルバムをひっさげ、シーンの最前線へとカムバックを果たす。NANO-MUGEN FES. 2014での来日も実現、ASHのTIMなどお馴染みのメンバーをサポートにフレンドリー&ゴージャスなパフォーマンスで会場を沸かせた。

「NANO-MUGEN FES. 2006、2011、2014」への出演や、アジカン10周年記念ライブへの参加、東日本大震災へのチャリティー・アルバム「RESILIENCE : A BENEFIT ALBUM FOR THE RELIEF EFFORT IN JAPAN」のリリースなど、親日家としても知られるマット・シャープ、音楽ファンはもとより、アーティストからも敬愛されリスペクトされ続ける存在である。

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