INTERVIEW
後藤「マホガニーも入りづらくなっているんですか?」
松尾さん「マホガニーは全世界で採れるんですけど、ギターとして最高級のマホガニーが採れるのはホンジュラス(共和国)なんですね。ホンジュラスは、よく戦争が起きるんで、マホガニーが入りづらい状況もありますね。木材も産地によって、音の鳴りが変わってくるんです」
松尾さん「メイプルは、白い材料ですけど腰があって芯があって硬いので、加工するのは難しいんです。メイプルで作られたギターは、独特の音がして根強いファンがいますね」
後藤「メイプルは、ドラムにも使用されますよね」
松尾さん「ドラムだと結構柔らかい材料になるんですね。ギターだと一番硬い硬質な材料になるんですけど。使われる楽器によって、変わってきますね」
松尾さん「赤っぽい材料は杉になります」
後藤「杉は、どこの部分に使用されるんですか?」
松尾さん「表ですね。表の材料で代表的なのは、松か杉です。杉は、柔らかくて軽いのでそういう音を出すんですね。松は、硬くて腰があるんでパワーのある音を出します。表の材料とサイドバックで使用する木材の種類の組み合わせによって、音質が決まってきます」
後藤「表が杉で、サイド、バックをマホガニーにすると?」
松尾さん「まろやかな音質になりますね。サイド、バックに使用するのが、メイプルとかマホガニーとかローズウッドになるんですけど、それぞれに特性があるのでその組み合わせによって、同じサイズで作っても音質が変わってくるんですね。ヤイリとしては、たくさんの木材の種類の中から、選んでほしいと考えているんです」
松尾さん「アコースティック・ギターのネックの主流は、マホガニーですね。ここでも風を通しています」
松尾さん「たいだい午前中に、いろんな職人がここで木材をカットしてから作業に入ります。職人30人、それぞれに持ち場があります。ひとりでひとつの部署を担当しています」
松尾さん「アコースティック・ギターのブレージングはXブレージングです。ここでは、ギターの中の見えない構造を見ることができます。マーティンのギターをお手本にしつつ、オリジナリティを加えています。軽量化してみようとか風を通してみようとか。ギターになって組み立てられると外に見えない部分なので、隠し味のような部分です。ここを工夫することによって、オリジナリティを出すことができるんですね。ここの部分を担当するここの職人は、ブレージングだけを30年以上担当しているベテランです」
松尾さん「カスタム部門一番のキャリアのあるチーフ小池のオーダーは、現在約2年待ちです。プロのアーティストからのリクエストが多数きています。彼のとなりでは中堅職人が、コンパクトなギター専門をオーダーで受けています。ウクレレなど民族楽器なども受けています」
後藤「塗装までやられるんですね?」
松尾さん「塗装から最後のサウンドチェックまで、全て。ひとりで責任を持って担当しています」
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Yairi Guitar/ヤイリギターヤイリギター |
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